1.自己紹介
2.回天への志願
3.回天を初めて見たとき
4.平生基地への赴任

5.回天の搭乗訓練
6.平生基地の外での思い出
7.仲間の出撃
8.出撃命令を受けたとき

9.橋口大尉について
10.終戦
11.戦争、回天とは、何だったのか?
12.現代の若い世代へのメッセージ
13.平生町へのメッセージ

 



〜では、初めて回天を見たとき、どのように感じましたか?〜


(山本)

 

私がはじめに見たのは、倉橋島(広島県呉市)、当時はP基地と言っていました。そこの海岸に魚雷がありました。
何人かで見て「あれが、貴様らが乗る回天だ!」と言われました。その黒い鉄の塊をみて、本当にビックリしましたね。
ある程度は覚悟をしていましたが・・・まさか、これに乗って行くんだとは・・・これに乗って行ったら最後だと、直ぐにわかりましたね。みんな、それを見て、黙りましたね。

(中川)

「出口のない海」で光工場の中を歩いて回天を見に行くという場面がありますが、そんなことはなかったですね。
工場の中なんて、歩いたことはなかったですね。

〜映画のシーンのように、回天のハッチを開けて見せてくれまし
たか?〜
(林)

ハッチを開けて見せてもらいましたよ。
ゾッとしました。

そうやって回天を見る前の話ですが・・・。
山本さんの一期後輩の方で、私の兄の親友がいました。
その方と親しくしていて、いろんな情報が入りました。
短波放送を聴いたりされていました。
回天には、生還装置や脱出装置があるのかないのかを暗号で交信していました。
それで、「脱出装置はない」という事が分かったのです。
私はそれを聞いて、もうゾッとしました。

   


阿多田交流館に展示してある
回天のレプリカ
本物にはこの頭部に1.55tの炸薬が詰められ、一発でいかなる艦船も撃沈できると言われていました。
       回天二型のハッチ
写真は、光市武田製薬の敷地から発掘された回天二型の胴体部分。
平生町歴史民俗資料館下に展示してあります。
 
  
〜平生基地に行ったときの印象を教えてください。〜

(山本)

 

2月初めでしたか、平生基地の建設時から行きました。
酸素の工場を作るために穴掘りをしましたよ。造成工事ですね。穴を掘って土を運びました。

回天は酸素と石油で動きます。 だから、酸素工場が必要でした。中川さんは、それが縁か、戦後は酸素の会社に勤めましたが・・・。
そうやって、3月1日に開隊しました。

(林)
一言、言っておきたいのは、平生の基地の雰囲気は本当に穏やかだった。
海軍にもこんなに穏やかな基地があるのか?というぐらいでした。ビンタはないし、棒を持ってくることもないし・・・。
光基地とは全然違いました。

 

(中川)
「鬼の大津島、地獄の光」と言われまして、平生は「極楽の基地」でした。
(山本)
それはねぇ、司令や特攻長の人柄ですよ。
澤村司令は、自分の子供みたいな私たちが、死ぬ事が決まっているのに、何故、苦しめないといけないのか?そんな考えでした。

その前に光基地にいましたが、その時には、もう毎晩、殴られました。
晩には研修会があって、「何故、そんなことをした」「お前の技術が悪い」等と強く責められて、部屋に帰っても殴られました。
(中川)

予備学生の方は、兵学校出の士官連中には、かなりいじめられていたと思います。

彼らは兵学校で3年から4年、それからしばらくして初めて少尉になれるのに、、予備学生は一年くらいで少尉になったからです。そういう妬みがあったんでしょう。

私たち予科練習生はそこまでいじめられることは無かったですよ。それでも光ではよく殴られましたが・・・。
でも、平生で殴られた記憶は、一度もありません。
その澤村司令と私のお袋は同じ明治32年生まれです。
だから、私たちは司令にしてみれば子供みたいなものですよ。

(山本)
光基地だったら、操縦もしたことのないような上官が来て、理論だけで、二人がかりでめちゃくちゃに責めてきました。
でも、平生基地の澤村司令はそんなことはありませんでした。失敗をしても、眠ったふりをしている。
まるで かわいい子供のような、それが死に行くことが決まっているのに、なぜ、責めなきゃいかんのか?と、そんな人でした。

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山口県には回天の基地が三つもありました。他には大分県の大神基地がありました。


阿多田交流館に展示されている
澤村司令の写真
 
 
 
 


















                         
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