| (山本)
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訓練は、それは必死です。
そんな何も考えている暇なんかないです。自分の命に関わることですから、言われなくても必死です。
岩にぶつかったり、沈没して海底にぶつかったり、襲撃目標にぶつかったりして、それはもう真剣にならざるを得ませんでした。
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(中川) |
回天に乗りましてね、むしろその後、夜、研究会というのがあってその日の報告をしたり、意見を言ったりして、回天に乗るのは苦しくはないけど、後の研究会の方が恐かったですね。
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| 〜回天に乗ることは面白かったのですか?〜 |
| (全員) |
面白いと言うより、夢中でした。
とにかく夢中でした。
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(山本) |
訓練で乗るのは選抜された優秀な人ですから、みんなは羨望していました。
でも、失敗しようものなら、帰って来たときに偉い人たちが並んでいて、殴ったりして・・・。
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(林) |
訓練中のことで、こんな話もあります。
平生回天会副会長の藤田さんが残された記録によると、訓練で駆逐艦から回天を発射させたときのこと。
同乗者と二人で乗っていて、誤って、水中5mくらいで長島の端に回天をぶつけてしまいました。
損傷して水が中に入ってきて、ハッチは水圧で中から開けることがでません。でも、水がたくさん入ったとき、回天の外と中が同じ水圧になって、ハッチが開き、助かったそうです。
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〜今日は平生町の阿多田交流館から特別に秒時計をお借りしてきま した。これを使って操縦されたそうですね。〜
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(中川) |
これをこのまま首にぶら下げていましたね。
この秒時計は中島さんが交流館に寄付した本物ですよ。 |
(林) |
時々、時計が止まることがあったんですよ。
押し忘れることもあったりして。例えば時計を止めて、針を戻さなきゃいけないのに戻し忘れたりしてね。
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〜映画「出口のない海」では操縦の様子が描かれていましたが、そ
の動きを実際に覚えていますか?〜
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(中川) |
「出口のない海」のシーンでは、バルブを開くと言いながら、実は手は閉める動作をしていましたね。
あれは反対です。 |
(山本) |
回天に入るときには、上からハッチを開けて、入って、ハッチを閉めてもらって、トントンとノックしてもらって。
それからだいたい20位の操作がありました。
色々な空気の弁を開いたりして。それを全部やらなきゃいけない。それからエンジンを始動します。
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(中川) |
何度の方向に行くかは、ジャイロスコープ(物体の角度・速度を計測する機器)が付いていたので自動的に行く方向は指してくれる。
そして、操縦者はこの秒時計を使って、何秒走ったから、今はどの辺りにいるのかを計算して、動きました。
だから、ジャイロスコープとこの秒時計は絶対の必需品。
それがもし無かったら、水の中を潜っていて、何もわかりません。 |
(林) |
これは先ほど話した、事故をした藤田さんの航行記録です。進んだ角度が全て記されています。
このときの2号艇には、私が乗っていました。
なんとそのときには、こちらの山本さんも指導官で同乗されていました。
実は、山本さんは、私の回天に同乗される1週間前に、祝島(上関町)に回天で乗り上げるという事故を起こされています。
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(山本) |
そうです。その事故のために、出撃が後に回されて、指導官になったわけです。
指導官として同乗しますが、林さんの手元を見ているだけで、何もすることはなかったですね。
ただ、こんなことがありました。
いくらエンジンを吹かしても前に進まないと言うんです。それで、見てみると、漁業の網に回天が引っかかって、前に進めない状態でした。でも、もし、網がなかったら、あの時は島にぶつかっていましたね。
回天は網があると、攻撃はできませんでした。
当初回天は、停泊している艦艇を攻撃していました。でも、その内、敵は回りに網を張るようになりました。
だから、航行中の艦艇を攻撃する訓練に変更になりました。 |
(中川) |
網の問題もありますが、回天操縦の一番の問題点はバックできないことです。
とにかく走り出したら、ぶつかるまで走り続けるのです。 |
(山本) |
回転半径も大きくて、200m位ありました。
それを考えて方向を決めなければならない。 |
〜訓練中に、もう死ぬのかもしれないと思われたこともありますか? 〜
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(山本) |
そうですね。祝島(上関町)にのし上げたときには、もうダメだ、と思いましたね。
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(林) |
あのときは、私も見ていましたが、3ノットくらいのとても低速でゆっくりと島に向かっていって・・・。
みんなで「なんでだろう」と言っていると、異常を知らせる発音弾も投げ込まない内に、とうとう島にのし上げてしまった。
その後、潮が引いたとき、海岸べりにあったトウモロコシ畑の葉っぱをもってきて、回天を隠しました。
その時に、近所の人がくれた枇杷が美味しかったなぁ。 |
(山本) |
実は、頭がボーとしていて、どこを走っているのか、わからない状態になっていました。
というのも、回天に長い時間乗っていると、船内に炭酸ガスが溜まってしまうんです。その影響だと思います。
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(林) |
そうだったんですか。私はボートに乗って、山本さんの回天の前を横切って、手旗を振って危険を知らせたんですよ。
でも、それにも気付かずに、そのままとことこと走ってしまった。 |
(山本) |
あの時は、スピードがゆっくりだったから、良かった。
もし、早かったら、死んでいますよ。
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